「雌伏」は、強い権力を持つ者に従いながら、将来の活躍の機会をじっくりと待つ様子を表す四字熟語です。
「雌」は雌鳥、「伏」は伏すことを意味し、雌鳥が雄鳥に従順にしている様子から、「人に従う」という意味合いが生まれました。さらに、「伏」には「身をひそめる」という意味もあり、将来に向けて力を蓄え、機を伺っているニュアンスも含まれます。
例文
-
例文1: 雌伏すること20年。退職した父の会社を引き継ぐ。
長い間、父の会社で経験を積み、力を蓄えてきた様子が伝わります。
-
例文2: 次期社長の座を狙い雌伏する。
目立たずに努力を重ね、将来のトップを目指す様子が伝わります。
「雌伏」を使う際のポイントは、以下の通りです。
- 単に「待つ」だけでなく、将来に向けて力をつけている様子を強調する。
- 長期間にわたって、辛抱強く努力しているイメージを与える。
- 必ずしもネガティブな意味ではなく、将来への強い意志を持っていることを表す。
類義語
- 潜伏: ひそんで活動する様子
- 韜晦: 自分の才能や考えを隠す様子
- 臥薪嘗胆: 将来のために苦労を忍ぶ様子
対義語
- 雄飛: 才能を発揮して活躍する様子
- 独裁: 自分の思い通りに支配する様子
- 専横: 自分勝手に振る舞う様子
その他
- 「雌伏期間」のように、名詞として使うこともできます。
- 「雌伏を余儀なくされる」のように、受動態で使われることもあります。
「雌伏」は、忍耐強く努力を重ねて、将来の成功を目指す様子を力強く表現する四字熟語です。適切な場面で使えば、文章に深みを与えることができます。