「漁夫の利」(ぎょふのり)は、二人が争っている間に、第三者が労せずして利益を得ることを意味する四字熟語です。
中国の古典籍 である 『戦国策』 に記載されている故事から生まれた言葉です。
故事の内容 は、趙(ちょう)が燕(えん)を攻めようとした とき、燕 の 蘇代(そだい)が 趙 の恵王に対して、鷸(しぎ)と蚌(はまぐり)が争っている間に 漁夫 が 両方とも捕まえた という話をし、戦争 は 両国にとって損害 になるだけであり、第三国 が 利益 を得るだけであると説いたというものです。
つまり、
- 二人が争っている 間に
- 第三者が労せずして
- 利益を得る
という意味になります。
例文:
- 企業間の競争が激化し、漁夫の利を得る中小企業が増えている。
- 二人の政治家が対立し、その漁夫の利を得たのは第三の候補者だった。
- ファン同士が口論している間に、転売業者が商品を買い占め、漁夫の利を得た。
「漁夫の利」 は、ビジネス や 政治 など、様々な場面で用いられます。
類義語:
- 坐視漁利
- 鷸蚌相争
- 犬猿の仲
- 鷸蚌の争い
- 虎視眈々
対義語:
- 共存共栄
- 互助互恵
- 協力
- 協調
- 相互利益
その他:
- 「漁夫の利」 は、英語 では "to profit from the misfortune of others" や "to sit back and watch others fight" と訳されます。
- 「漁夫の利」 を得るためには、状況を冷静に分析 し、適切なタイミングで行動する ことが重要です。
- 「漁夫の利」 を得ようとするあまり、倫理的に問題のある行為 をするのは避けなければなりません。