「取り付く島もない」とは、頼るべきところがない、もしくは相手からつっけんどんにされるという意味の慣用句です。
語源
この慣用句の語源は、江戸時代の海難事故に由来すると言われています。
江戸時代には、海難事故が頻繁に起こっていました。海難事故に遭った船乗りたちは、必死に島にたどり着こうとしていました。
しかし、波が荒かったり、島が遠かったりして、島にたどり着けないことがありました。
このような状況を、「取り付く島もない」という言葉で表現するようになったのです。
意味
「取り付く島もない」という言葉は、頼るべきところがないという意味で使われます。
これは、物理的な場所だけでなく、精神的な支えという意味でも解釈できます。
例えば、失業して、お金も職も失ってしまった人は、「取り付く島もない」状態と言えます。
また、誰からも相手にされず、孤立している人も、「取り付く島もない」状態と言えます。
使い方
「取り付く島もない」という言葉は、以下のような場面で使われます。
- 頼るべきところが全くない状況を表現したい時
- 相手からつっけんどんにされたり、冷たくあしらわれたりした時
- 孤立無援の状態を表現したい時
例文
- 会社をクビになり、お金も住むところもなくなり、取り付く島もない状態になった。
- 彼は、いつも一人で行動し、周りの人から取り付く島もないような人だと思われていた。
- 犯罪組織から追われる身となり、彼は取り付く島もない思いだった。
注意
「取り付く島もない」という言葉は、相手を責めるようなニュアンスを含んでいることがあります。
そのため、使う際には注意が必要です。
相手を傷つけないように、別の表現を使うこともできます。
類義語
「取り付く島もない」の類義語には、以下のようなものがあります。
- 頼る所がない
- 孤立無援
- 絶望的
- 途方に暮れる
- 八方塞がり
英語表現
「取り付く島もない」に相当する英語表現は、"have nowhere to turn"または"be at a loss"です。
これらの表現は、頼るべきところがなく、途方に暮れている様子を非常によく表しています。
その他にも、以下のような表現が使えます。
- "be left with no options"
- "have no one to turn to"
- "be in a desperate situation"
- "be helpless"
- "be hopeless"
まとめ
「取り付く島もない」は、頼るべきところがない、もしくは相手からつっけんどんにされるという意味の慣用句です。
この慣用句を使う際には、相手を責めるようなニュアンスを含んでいることに注意する必要があります。
状況や文脈に合わせて、適切な表現を選ぶようにしましょう。