教えの庭

【漢字】教えの庭
【読み】おしえのにわ
【意味】教育を学ぶ所。学校。
【例文1】教えの庭で学ぶ。
【例文2】教えの庭を主席で卒業する。
【例文3】母校の教えの庭を訪問する。

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「教えの庭」ってどこでしょう

教えの庭は学問を教えるところ、学校、学園のことです。今、教えの庭という言葉に接するのは学校の卒業式で歌われる、「仰げば尊し」の歌詞くらいですね。庭というのは広い場所で、物事を行うところの意味です。つまり、昔は神事であっても戸外で火を焚き、お供え物をして、立礼(椅子に座ったりせず立ったままでお辞儀をする)で行っていました。神事も外ならば、学問も外で教えていました。いわゆる青空学級です。今でも発展途上国などでは、青空学級を開校し勉強を教えているのをテレビで見たりしますよね。日本の子どもたちが使い、小学校を卒業した後に役目を終えたランドセルが、途上国に寄付されて、鞄として使うだけでなく、青空の下で机替わりに使われているのを見たことがあります。日本のランドセルは形崩れがあまりせず、がっちりとしているので、ランドセルの平な蓋部分が机としても使えるのだそうです。青空学級は教えの庭の典型です。段々時代は進み、江戸時代になると藩ごとに藩校を設立し、藩士の子弟を教育していましたし、庶民は寺子屋などで学問をするようになり、戸外ではなく屋内で学問をするようになります。それでも「教えの庭」という言葉は残り、現代にいたります。

時代と共に変わろうとしている教えの庭

約10年前にゆとり教育が廃止され、ゆとり教育以前の詰め込み教育が再び始まりました。理由は明白で、ゆとり教育が始まってからの日本の子供たちの学力が、世界的に見て下がってしまったためです。そして再び始まった詰め込み教育では、当然ですが子供たちが受ける勉強の量が増え、教科書や参考書の量もゆとり教育の頃に比べると確実に増えました。曜日によっては、通学カバンに詰め込む教科書の量だけで7kg近くある場合もあるそうです。こんなに重い荷物を背負って学校に行く子供がいるのだと考えると、少しやりきれない気持ちになります。
しかし大変なのは子供たちだけではありません。授業で教えることが増えたため、無論先生たちの業務量も増えました。そのうえ部活動の顧問もするというのが、教育現場での暗黙の了解であるため、先生たちの労働時間もかなり増えているのが現状です。そのため現在では見直しも検討されており、たとえば部活動は学校外部から招いた非常勤コーチに見てもらうことで、先生たちは今まで部活動にあてていた時間を、翌日に行う授業の準備をする時間にあてがえるようになったという学校もあります。
このように学校は、教えの庭として生徒たちが勉学を学ぶ一方で、先生側の体制も変わろうとしています。そして少しずつでも先生たちに余裕が生まれれば、生徒たちともより良い関係を築くことができ、更に良い教育ができるのではないでしょうか。