吝かでない

【漢字】吝かでない
【読み】やぶさかでない
【意味】努力を惜しまず喜んでする。
【例文1】助けを求められれば、吝かでない。
【例文2】何事にも経験する事は吝かでない。
【例文3】その意見に吝かでない。

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あやふやな表現「吝かでない」

「吝かでない」は、「やぶさかではない」と読まれます。吝かということわざは、喜んで行動するといった様子を表します。
吝かとは行動する気はない、気が進まない気持ちなどに否定形をつけることでやってもよい、嫌ではないという意味になりますが、遠回しな肯定ではないでしょうか。これは小学生が好きな相手に対して「嫌い!」と思わず反対のことを言ってしまうような意味を感じずにはいられません。要するに素直じゃないということです。何だか可愛らしいですが、時としてトラブルを招く恐れもあります。
いつまでも異性の告白にどっち付かずな返答をすれば相手は離れていきます。本当は嬉しいのに吝かでない発言をしていると、本心とは違う言葉の意味で相手に伝わってしまうでしょう。
良好な関係を築くためにも直接的で簡潔に物事を伝えることが大切です。あやふやなことばかりで逃げていると、そのツケがいつか必ず自分に襲い掛かると思います。上手く生きていくためにも、出来るだけ吝かでないあやふやな表現は避けるべきだと思います。優柔不断な言動は相手を混乱させてしまうこともあるのです。

「吝かでない」は読めても書けない

「吝かでない」は「やぶさかでない」と読みますが、簡単な字なわりには何も見ずに書ける人は少なそうです。
吝嗇という語にも使われますが、これら以外に使用例が思い浮かびません。
吝嗇が極度のケチや物惜しみを意味する言葉だと覚えていれば、吝かでないは苦労などを惜しみませんという意味なのだと簡単に推察できるでしょう。
文と口を合わせて何故にケチという意味になるのか疑問でした。
調べてみたところ、文が刺青、口は祝詞を入れた器物を表していて、死者を祈り惜しむという意味があったようです。
どこをどう巡って死者を惜しむのが唯のけちん坊に成り下がったのかは、さっぱり分りませんが取りあえずそういうことらしいです。
手前勝手な感想ですが、吝かではないです発言には努力や苦労を厭いませんと宣言しているにも拘わらず何となく積極性に欠けるようなイメージがあります。
辞書には、喜んで仕事させていただきますのような感じの意味が書かれていますが、実際のところはどうなのでしょう。
あからさまに苦労する仕事と認めつつも、自分は労力を出し惜しむようなケチな人間ではないですよという恩着せがましい主張にはどうも馴染めません。
そういう言い回しもあるということだけ覚えるに留め、自分では使わないほうが良いような気がするのは私だけでしょうか。