顔をつなぐ

【漢字】顔をつなぐ
【読み】かおをつなぐ
【意味】人に顔を忘れられないように出席をする。
【例文1】顔をつなぐためにも懇親会に出席するのも仕事のうち。
【例文2】印象深い言動が顔をつなぐ。
【例文3】写真入り年賀状をかかさず出して顔をつなぐ。

顔をつなぐをテーマにした記事

顔をつなぐも名前を忘れた話です

見知った顧客に出会ったので挨拶をしたのですが、自分から名乗った後で相手の名前が全く思い出せないことに気が付きました。
こちらから話しかけているので相手は自分のことは知っているだろうと推測、あらためて自己紹介するはずもありません。
顧客の勤めている会社の名前、所属部署、役職は何とか思い出せるのですが、名前についての記憶が一切ないという絶体絶命の大ピンチです。
名前を忘れていることがバレないうちに退散しようとしましたが、相手は中々話を途切れさせてくれません。
そうこうするうちに会社からの呼び出しというか、連絡の電話が来ました。
いつもであれば何の仕事を押し付けられるのかと嫌々しぶじふと出る電話ですが、そのときばかりは天の助けに思えました。
思わず目の前の顧客の名前を忘れていた状況にまで口が滑りそうになりましたが何とか堪えました。
さして緊急の用事でもなかったのですが、会社からの呼び出しがあったことを告げて顧客とはその場で別れました。
会社に帰って名刺のデータベースを探り、該当する社名・所属・役職から名前を割り出すことは出来たのですが、それでも完全に顔と名前が一致しません。
どうやら忘れる以前に覚えることすらしていなかったようです。
折角、顔をつなぐことが出来ても名前を忘れているようでは意味がありません。
今回の失態のおかげで、その顧客の名前はエピソード記憶として深く刻みこまれた気がします。

忘れないためにも「顔をつなぐ」

「顔をつなぐ」は物理的に想像すると恐ろしいですよね。「顔と何を繋ぐのだろうか」とついつい想像してしまう言葉ですが、人間関係や人との繋がりが途絶えないように、関連するイベントや式に主席したり、自宅へ訪問することを意味する言葉です。
親戚付き合いや友人との付き合いで重要なことを表す言葉ですが、人間関係が次第に薄くなっている現代社会において、このことわざが過去の存在になる日も近い気がするのです。核家族が増えて、親戚の家に顔を出す方も少なくなりました。社会でも多くの企業が直接的な人間関係よりも、バーチャル技術を使用したコミュニケーションツールが発展し、現在では動画通話なども広く利用されています。
世の中が便利になることは素晴らしいことです。紛らわしい人間関係から解放された意識が、コミュニケーションツールを発展させたと言って良い気もします。ただ濃密な人間関係を築くには、直接会って顔がつなぐことが大切ではないでしょうか。
わざわざ交通費を掛けて足を運ぶ意味がありますし、面と向かって話すほうが良いと考える方も多いですね。どんなにコミュニケーションツールが進化しても、最後に大切になるのは直接会うことになるかもしれません。