時を稼ぐ

【漢字】時を稼ぐ
【読み】ときをかせぐ
【意味】本来の用事の準備をしている間、他の事をして時間を引き延ばす。
【例文1】お客様を待たせている間に世間話で時を稼ぐ。
【例文2】作業時間の間にお茶をして時を稼ぐ。
【例文3】週刊誌を読んで時を稼ぐ。

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「時を稼ぐ」ことで家を守る戦国武将たち

「時を稼ぐ」とは「準備など整えるために他のことで引き延ばして時間を作り出すこと」です。NHK大河ドラマ「おんな城主直虎」でも「毛賀の地で商人に売り渡した井伊家の材木が、あろうことか今川家に敵対する武将に渡りそうだ」という情報が今川家にもたらされ、井伊家は申し開き(弁解)のために城主の直虎が、今川の居城に呼び出されます。井伊家は商人に売ったまでで、その先のことは把握していなかったことが、詰めが甘いと叱責され、うまく申し開きができなければ城主の交代も辞せずという窮地に立たされます。そこで直虎は「時を稼ぐ」ために、今川家へ向かう道中で服薬し、自分が高熱を出すことで、井伊家の一行を足止めします。その間に、どんな手段を講じようと売り渡した木材を一本残らず、毛賀に取り戻すという策を実行し、直虎が今川家に到着して、申し開きをしている間に「材木が取り戻せた」との連絡が入り、窮地を脱します。戦国時代は今のような情報網もありませんし、交通手段もありません。「時を稼ぐ」ことが家の存続をかけた策の一つであったのです。そういえば「真田丸」でも真田昌幸が、もらった書状に返事を書かなかったり、登城を迫られてものらりくらりと行かなかったりと時間稼ぎをして、必死に状況を見極めようとしていましたね。今はSNSの悪用やGPSにより、時間を稼ぐどころが居場所まで探られてしまいます。恐ろしい時代になったものです。