寝た子を起こす

【漢字】寝た子を起こす
【読み】ねたこをおこす
【意味】寝た子が起きると面倒になる。騒ぎが治まったのに再び面倒を起こすことをいう。。
【例文1】やっと彼氏と仲直りしたのに寝た子を起こすような事は言わないでよ。
【例文2】昔の女遊びを持ち出し寝た子を起こす。
【例文3】過去の経歴をバラし寝た子を起こす。

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「寝た子を起こす」か女スリ

「寝た子を起こす」とは寝静まった子どもを起こして騒がしくすることから、静穏になったのをつまらない事をして元の騒然とした状態に戻してしまうこと。
もう一つの意味は忘れかけていた悪い習慣をふとしたことから元に戻してしまうことの二つの意味があります。この言葉から連想する話に池波正太郎の「鬼平犯科帳」の中の女スリの話があります。今はもう足を洗ってまっとうな職について暮らしている若い女スリが、昔世話になったスリ集団の親分の女性から呼び出されます。
その親分は身寄りがなくてさすらっていた女性を、子どもの時から育ててスリの技を仕込んでくれた、女性にとってのいわば恩人です。彼女が尋ねると親分は窮地に立たされていて、女性に「この男からある書類をスリ取ってもらえないか」と頼まれます。腕は鈍っていないだろうとは思いつつも、捕まれば今の暮らしは失うのです。女性は散々迷い、下見を重ねるうちに鬼平の手下と知り合うことになり、人生最後のスリをします。その時、親分も鬼平も、女性自身もこの1回が「寝た子を起こす」ようになり、スリをまた重ねる昔の自分に戻ってしまうのではないかと懸念します。結果、今まで女性が積み重ねた年月や努力、親分や鬼平の愛情こもった働きかけで、スリには戻りませんが、スリをしていた時に培われた、悪事に対する勘のよさ、警戒心などが買われ鬼平の手下になるのです。