不倶戴天

【漢字】不倶戴天
【読み】ふぐたいてん
【意味】生かしておけないほどの恨みや怒りを持つ。
【例文1】殺傷事件の犯人に不倶戴天の恨みを持つ。
【例文2】被害者遺族が不倶戴天を抱く。
【例文3】不倶戴天で天罰が下る。

不倶戴天をテーマにした記事

「此処で会ったが百年目、貴様こそは不倶戴天の敵」

「盲亀の浮木か優曇華の花を待つこと久し、貴様の悪運もここに尽きはてた。積年の恨み今こそ果たす。観念して尋常に勝負しろ」
いきなり敵と言われて相手の人は困惑することしきりです。
(こいつ誰だったっけ。名前どころか顔も覚えが無いけれど、とりあえず挨拶しとくか)
「ええと、ひさしぶり。元気そうで何よりだ。今何しているの」
不倶戴天という言葉を聞いてもさしたる感慨も覚えず、使った記憶も国語の試験で答案に記入したくらいしかありません。
よくある仇討ちシーンでは、こんな風に使っていたかなあということで、オチもない小芝居が出来てしまいました。
相手を敵と恨んでいるほうは現在進行形で今尚憎んでいるのですが、恨みを買ったほうは遠い昔の出来事なので全く記憶がありません。
警察沙汰になるような犯罪行為であれば当の昔に処罰されてますが、些細な出来事であったり人間関係の不備であればそれに及ばす。
相手を不倶戴天の敵と認めたならば、自分か相手のどちらかがこの世からサヨナラしなければならない事態に発展しかねない。
妥協する余地など皆無なので言い訳などには全く聞く耳持たずに呪詛の如く恨み言を言い続ける。
実際に発生する事件としては限りなく可能性が低そうですが、完全に解決するのはかなり面倒なことになりそうです。
なので、予防方法として相手を恨んだり恨みを買うような状況が起きないように注意するしかないでしょう。

三国志で耳にした不倶戴天の敵について

私は三国志が好きで、本や映画、ドラマなどを見る機会がよくあります。様々人物が登場する話で、それぞれに個性があり魅力的な部分を感じますが、中でも特に好きなのが曹操と諸葛亮孔明です。
諸葛亮の好きな点は、神の領域に達するほどのズバ抜けた才能や戦術などで、曹操の好きな点は戦術家であり行動力と人を集める力などに魅力も感じます。三国志を見ているとよく耳にするのが、不倶戴天の敵という言葉です。
袁紹と曹操の戦いの際に、曹操が不意打ちで袁紹の兵糧置き場の拠点を攻めた時、袁紹が不倶戴天の敵と言っていました。この言葉がよく使われるのが、周瑜と諸葛亮との話の時です。
周瑜も諸葛亮に並ぶくらい、天下の奇才と言われた人物ですが、諸葛亮の力を恐れ赤壁の戦いでは味方同士にも関わらず、命を狙う作戦を何度も仕掛けていきます。
しかし、諸葛亮は全てをかわし難を逃れていき、その都度周瑜は不倶戴天の敵と言っていました。三国志を見るまでは、不倶戴天という言葉はあまり耳にする機会はありませんでしたが、今では耳に残る言葉です。
普通の憎みや怒りなどを超越した気持ちを、言葉として最大限に表すにはこの言葉を使うのが、一番適しているのかなと三国志を見ることで学びました。