細工は流々仕上げを御覧じろ

【漢字】細工は流々仕上げを御覧じろ
【読み】さいくはりゅうりゅうしあげをごろうじろ
【意味】作業の手順は様々なのだから、過程の段階でとやかく言わないで出来映えを見てから批判せよという意味。
【例文1】絵を描いているとあれこれ言ってくる友人に細工は流々仕上げを御覧じろと一喝した。
【例文2】子どもの成長は黙って細工は流々仕上げを御覧じろ。
【例文3】両者の言い分を聞いてから細工は流々仕上げを御覧じろ。

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細工は流々仕上げを御覧じろよ

細工は流々仕上げを御覧じろとは物事の過程の段階で横から口出しせずに最後に判断せよという意味です。
具体例として
「子ども同士のケンカは細工は流々仕上げを御覧じろで話をちゃんと聞く」などに使われます。確かにケガをしている方が一方的な被害者に見えます。一部しか見ていない人はケガをおった被害者に肩を持ちます。しかし最初から最後まで事の成り行きを聞くとケガをしたほうが最初に手を挙げたから、相手がよけようとしてぶつかって転んだというような場面もあったりします。ですから最後に判断することは大切な事ですね。
会社にもたまにいますよね。作業の途中だけを見てあれこれ注意したり批難しまくるやつ。本当に腹が立ちますよね。で、意外な出来栄えにみんなが賛同する中、決して褒めてはくれない。あれって素直じゃないですよねー。

「細工は流流仕上げを御覧じろ」は職人の気概

時代劇か歌舞伎の舞台、落語の世界でしか、今は聞けない言葉「細工は流流仕上げを御覧じろ(ごろうじろ)」ですが、意味は「細工の仕方は色々あるけれども工夫は十二分に凝らして誂えるから結果のデキを見てから批判してくださいよ」です。落語の世界ではよく、江戸の長屋に多く住んでいた独り者の職人が、町娘に恋をして、それを知った隣人、友人、知人がなんとかその恋を成就させてやろうと腕まくり。あれやこれやと策を練り、職人と町娘の仲を取り持とうとするものの、何故か思いがけない邪魔が入り、策は無に帰し失恋するとか、策は成功しないものの、けがの功名でなんとか上手くいき、終わり良ければ全てよしで一件落着するとか、そういう話にこの「細工は流流仕上げを御覧じろ」が登場しますね。策を弄した本人が得意満面に言い放つのが定番です。細工や仕上げという言葉のデティールから想像できるように、おそらくは職人の間から出てきた言葉でしょう。何の職人であれ、年季奉公をして腕に技術を覚えさせるまで、相当の苦労をします。それでも独り立ちして食べていけるだけの職人になれるかどうかは、また別の才覚が必要です。自分の腕を信じるが故に、他人に自分の仕事や手順にケチをつけられたり意見されたりすることが我慢できない。そこで「細工は流流仕上げを御覧じろ」が出てくるのです。職人の気概が今も伝わる言葉ですね。