有職故実

【漢字】有職故実
【読み】ゆうそくこじつ
【意味】武家や武家の儀式・制度・官職・作法・習慣・装束のこと。また、それらを研究する学問。
【例文1】古い歴史を有職故実に詳しい教授に尋ねる。
【例文2】有職故実をたどる。
【例文3】有職故実の風習が変わりつつある。

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「有職故実」今も昔も知識は大切

「有職」はもともとは「有識」と書かれていました。意味は現在の「有識(ゆうしき)」と同じで「知識がある」という意味です。いつの間にか「有職」は「有識」と書かれるようになりました。「故実」は「過去の事実」という意味です。「有職故実」はこの二つの言葉を組み合わせた言葉で朝廷や公家の礼式・官職・法令・年中行事・軍陣などの先例や典故または官職位階・宮殿殿舎・服飾・武具・年中行事・典礼などについて研究することを指します。
朝廷を中心とする公家社会ではしきたりと先例が重んじられ宮中での儀式や行事は部屋の飾付け・着る衣装・座る位置など細かい事までたくさんのしきたりや決まり事がありました。
もしそれらを間違ってしまったら人々の失笑を買うことになるため先例典拠を重んじる伝統主義的な公家社会では絶対にあってはならないことでした。そのため公家の家では儀式や行事に参列した時の様子を詳しく事細かに日記に書き留めておきました。書き留めた日記は代々その家で受け継がれて子孫たちは日記を集成して有識故実書を編纂しました。有職故実書は儀式が行われる時には先例として参考にされるようになりどんどん先例に対する知識が重んじられるようになっていきました。

有職故実…酷い対義語が創作できそうです

「ゆうそくこじつ」が正しい読み方だそうです。
「有職」とは公家・武家の儀式・行事・官職などについての知識や、その詳しい知識を持つ人を指します。
「故実」は儀式・行事などの模範的な先例や、その詳しい知識を持つ人を指します。
二つの言葉を合わせて「有職故実」、意味するところは公家・武家の儀式・行事などに関する先例やそれに関して研究する学問ということです。
およそ儀式儀礼と縁が薄い一般民衆には無用な知識に思えます。
有職を「ゆうしょく」と読み間違えたり、対義語は無職なのではないかと思う程度に興味も知識もありません。
予備知識がなければ有職故実の対義語を、無職妄想・有閑捏造などという酷い四字熟語が生まれそうです。
古い文化を正しく伝承することは大切かもしれませんが、縁がなく由来も知らない儀式や行事に興味を持つことはかなり難しいです。
逆に新しい分野へ突き進むべく成果が挙げられるか疑わしい方向へ走り出す方が単純で分りやすそうです。
無責任な一般民衆としては、古い伝統文化は上っ面を眺める程度にしか興味を持たず、フロンティア精神とともに玉砕する研究者は放置が基本です。
マスコミが囃し立てるようなお祭り騒ぎのような儀式や、運よく成果を導き出した成功者ならば話は別です。
得られるものが魅力的でなければあっさり見捨てるのは非情に思われるかもしれませんが、文化を育てる余裕を大衆意識に求めるのは無理です。