檄を飛ばす

【漢字】檄を飛ばす
【読み】げきをとばす
【意味】活気づけの言葉に多用されがちだが、本来の意味は自分の主張を多くの人に知らせて、同意を求める意味。
【例文1】檄を飛ばして権利を得る。
【例文2】強引に住民の檄を飛ばす。
【例文3】地位を利用して檄を飛ばす。

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檄を飛ばす、メールを使って

昔々、木札に文字を書いていた時代に出来た言葉です。
細長い木の板に文字を書き、紐で板の両端同士をつなげて長文が書けるようにします。
木で出来た巻物のようなものですが、紙がなかった時代にはこれが一般的だったようです。
「檄を飛ばす」の「檄」も、部首の木編が示すとおり木で出来た文書です。
自分の主張を檄に記して広く兵を募ったり地方の領主の賛同を求める行動が、この言い回しの語源です。
野次を飛ばすという言葉に呼応してか、応援で憤激させる意味で使ってしまう人も多く存在します。
檄という文字が一般的でない上に、さんずいと木編が違うだけで字も似ているのでこのような誤用が広まったのでしょう。
とりあえず強く激しく自分の主張を伝え奮起を促すという点だけをみれば大きな違いはないとも言えます。
檄どころか手紙すら廃れてきた現代においては、メールの一斉送信で情報伝達は済んでしまいます。
必要なのはいつの時代であっても情報の中身です。
受け取る側の情に訴え、利を説き、多くの賛同を一時でも得るのは至難の業です。
メールであれば件名を見た瞬間に削除される運命が決定付けられるものすらあります。
それどころか広告・迷惑メール扱いでゴミ箱一直線まで有り得ます。
メールを使って檄文を飛ばしても、面識のない相手に主文が読まれることは結構難易度が高そうです。
地道に人間関係を前もって築くことの大切さは、問題に直面して気がつくことが多いのは何とも泥縄なことです。