のっぴきならない

【漢字】のっぴきならない
【読み】のっぴきならない
【意味】本来は退き引きならないと言われ、退くことも引くこともできない、どうにも出来ない状況をいう。それ以上聞いてはいけない雰囲気があるので、早く帰りたい時に便利な言葉である。
【例文1】今日はのっぴきならない用事があるので、定時で退社します。
【例文2】のっぴきならない用事があるので残業は無理です。
【例文3】のっぴきならない用事があると嘘ついて上司の誘いを断る。

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のっぴきならない事情って一体何?!

会社の後輩がある日こんなことを言いました。
「ちょっとのっぴきならない用事があるので、会社早退します!」
周りは唖然として、とりあえずその場は誰も何も言わないまま一日が過ぎたわけですが、正直みんなが思ったと思うんです。
「のっぴきならない用事って一体どんな用事?」
この言葉自体、そこまで聞きなれた言葉ではないですが、まぁ簡単言えば「絶対キャンセルできない」「何がなんでも出なくてはならない」みたいな意味だということは、
大体の人が知っていたし、だからこそ「どんな用事?」と聞き返す人はほとんどいませんでした。
「ちょっと家の用事で」と言えば「誰か具合悪いの?」と聞かれるし「通院のため」と言えば「具合悪いの?」と聞かれます。
でも「のっぴきならない」の一言って追及されないことが多いんですよね。
でも私はその後輩の子とプライべートでも食事に行くほど仲が良かったので、後日思い切って聞いてみたんです。
「先週の金曜日、のっぴきならない用事っていってたけどどうしたの?大丈夫?」と。
言いたくない雰囲気だったらすぐに「言いたくないならいいんだ、ごめんね」と謝るつもりでいたのですが、反応は意外なものでした。
後輩は「あぁ、あの日ですね」なんて呑気に笑いながらこう言ったんです。
「好きなアイドルのライブに急に誘われたんです!どうしても行きたかったんであぁ言っちゃいました!」
飽きれるのと同時に笑ってしまいました。「のっぴきならない」というこの言葉、周りの追及をうまく逃れる魔法の言葉なのかもしれませんね。

のっぴきならないとは?

のっぴきならないとはどういう意味でしょうか。
普段生活していても全く効くことがありませんでした。
調べてみると、のっぴきならないののっぴきとは、退き引き(のきひき)から来ているようです。
退き引きならない、退くことも、引くことも出来ないどうしようもない状態を意味しています。
同じような意味をもつ言葉は、案外多くあります。「よんどころない」「やむを得ない」「致し方ない」「抜き差しならない」などは近い意味じゃないでしょうか。
使い方は会議で上司に発言したらのっぴきならない事態になった。
のっぴきならない重要な要件ですが、いい方法はありますか?
私はこのあとのっぴきならないことになると感じた。
のっぴきならない用事で出かけると言っていました。
などと使うようです。
具体的な事情を伝えたくないようなときには、便利な言葉です。のっぴきならない事情で始まると相手もそれ以上追及してはいけないような雰囲気になります。
会社でもこの言葉を使えば通用するでしょうか。月曜はのっっぴきならない事情で休みます。火曜はよんどころない事情で休みます。水曜は抜き差しならない事情で休みます。木曜は致し方ない事情で休みます。金曜にはやむを得ないが会社は辞めてもらうでクビですね。