塩梅

【漢字】塩梅
【読み】あんばい
【意味】物事の加減。程合い。
【例文1】いい塩梅にお腹が空いてきた。
【例文2】いい塩梅の味付けだ。

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「良い塩梅」の意味はわかっていても使うことはない

「塩梅が良い」という言葉は、年配の人が使うイメージがありました。
私の中では昔の人が使っていた言葉という感覚です。

しかし、今でも塩梅は使われているのだろうと思います。
実際に家でも梅干しを漬けていますが、塩加減がちょうど良いとは言いますが、塩梅が良いとはあまり行ったことがありません。

むしろ体調を聞かれて、調子が良い時は、「今日は塩梅が良い」といった使われ方をするほうが多いのかもしれません。
とは言え、私がもし体調を聞かれても、「今日は体調が良いです」または「今日も体調が良いです」というでしょう。

ちょっとした言葉の違いなのですが、塩梅を入れるのと入れないのとでは印象が変わってきてしまいます。
もし、私が「今日は塩梅が良い」と自分よりも年下の人に言っても、中には「?」となってしまう人もいるかもしれません。

それでもこうした言葉を知っているだけでも、もし誰かに言われても理解することができるでしょう。
時代とともに使われなくなっていく言葉もあります。

梅干しも家庭で着けないどころか、塩分などの問題で食べなくなってきているのかもしれません。
しかし、日本の食文化は構成にも伝えていきたいものです。

ちょっと古く感じる言葉が、時には良い塩梅にしてくれることもあります。

塩梅

梅干しを作る際に塩で締める時、分量の調整を「塩梅」と言います。塩加減が良ければ「塩梅が良い」となり、当然ながら悪いと「塩梅が悪い」となります。総じて、他の状況にも使用する事があり、「しめサバの酢の具合が良い塩梅に仕上がっている」や「良い塩梅に話が進む」などと用途は様々です。梅干し作りの最初の工程で、塩を使って梅を締めるのですが、ここでの塩の分量が梅干しの良し悪しを決める大事な仕事であります。ここをしくじると後での調整は出来ませんので、塩梅の出来が梅干しの出来に直結していると言っても過言ではありません。それだけ大事な行程ですので家庭で梅干しを作る時は、その家の大ベテランが担当する事になります。順当に考えればお婆ちゃんの腕の見せ所になる訳です。梅干しは昔から何かと重宝されるアイテムとして、身近な存在であります。お弁当の防腐剤代わりにご飯の真ん中に入っていたり、胃腸が調子悪い時の薬になったり近年ではお酒の中に入っている事もあります。単体で食すととてもしょっぱいですが、ご飯のお共には最適の食品です。おにぎりの中の具では常に上位をキープする絶対的な存在なのです。そんな梅干しの人気を支えているのは紛れもなく「塩梅」であり、これ失くして梅干しの地位は確立出来はしないでしょう。

中学校で習った塩梅は今でも役に立つ

中学生のときに家庭科の授業で『塩梅』について教わりました。ざっくり説明すると『料理の味加減』のことですね。しかしこのとき、家庭科の先生からもう一つの意味も教わりました。それは『程よい具合や様子』です。当時の先生が言っていたのは「料理の味加減という意味が派生して、程よい調子のものについて良い塩梅だ、と使うときがある」ということでした。その学期の期末テストにも『塩梅』と書かせる問題があったので、今でも塩梅という単語は印象的です。

ただ今になって振り返ると、先生がテストに『塩梅』を出題したのは、生徒たちが大人になったときのことを思ってだったようにも感じます。もしかすると、家庭科の授業は英語や国語と違って授業時間数が少ないため、他に出題できる問題がなかったという可能性も無きにしも非ずかもしれません。それでも先生が『塩梅』を出題したのは、やはりそれが生徒たちのためになるからだったのではと思えます。

現に大人になってからも『塩梅』という単語を使うときがあります。それも料理の方の意味ではなく、派生した方の意味ですね。むしろ料理に関することで使う方が少ないくらいです。ひょっとして元々の意味の方は薄れてきているのではと訝しんでしまうほどです。中学生のとき、家庭科の授業できちんと『塩梅』について学んでおいて良かったと思いますね。