雨垂れ石を穿つ

【漢字】雨垂れ石を穿つ
【読み】あまだれいしをうがつ
【意味】軒下から垂れる雨でも長い間同じ所に落ち続ければ硬い石でも穴があくたとえで、どんなに小さな事でも根気よく続ければいつかは達成できる。
【例文1】雨垂れ石を穿つで休日に2年かけて一人でログハウスを建てた。
【例文2】500円貯金を10年続けて雨垂れ石を穿つ。

雨垂れ石を穿つをテーマにした記事

雨垂れ石を穿つことをやってのけた脱獄王

数年前にテレビで見たのですが、海外の刑務所の独房で服役していた受刑者が、食事のときに出させるみそ汁だけは飲まないでいました。残すわけでもなく食事が終わったときは、お椀の中は空になっています。当然見張り役はみそ汁を飲んだのだろうと思って警戒はしていなかったようです。この受刑者は独房で何を考えていたかというと、毎日脱走することをずっと思っていたようです。みそ汁には塩分が含まれているので鉄格子を腐らせようと企んでいました。口にみそ汁を含んでは鉄格子に毎回ぶっかけていきました。数ヶ月程度では鉄は腐ることはありませんが、何年も続けていくと少しずつ脆くなってきます。独房に入っていたのが何年にも渡っていたので、ひたすらみそ汁を同じ場所にかけ続けていました。そんなある日、独房にいたはずの受刑者が鉄格子を折って脱走してしまったのです。警備をしていた見張りが慌てて探しにいき、ようやく捕まえたときに受刑者から話を聞いたら、雨垂れ石を穿つかのごとく鉄格子にみそ汁をかけていたことが発覚したのです。脱獄王と呼ばれて有名になりましたが、ひとつの事を根気よく続けていくと雨垂れ石を穿つことができるんだなと感心しました。

苦手を得意にし、雨垂れ石を穿つことに

私には仕事においてとても苦手な作業がありました。似たような作業も平均的には出来るものの、自分の納得行くパフォーマンスになりません。苦手な作業に関しては、本当に駄目だったのです。しかし、仕事の都合上他の人に任せきりにすることは出来ません。人に任せることも出来ますが、特性上出来れば自分がやって他の人にチェックしてもらった方がミスも少なく、正しいというのがわかっていたのです。しかし、やってもやっても全然慣れません。ということで、仕事が終わった後にひたすら練習をしていました。
大体一年くらい練習を続けたと思います。その作業にもいくつかのパターンがありますので、毎日パターンを変えてやりました。すると、一年が経つ頃にはあんなに苦手だった作業が得意作業になっていたのです。上司からは、雨垂れ石を穿つとはよくいったものだ、頑張ったねと言われてすごく嬉しかったですね。
確かに何度も行うことによって作業に慣れていくというのはあると思います。しかし、そもそも苦手意識があるのですから意識を変えないと自然に慣れていくというのは難しいものですよね。そのため、私は練習という形を選びました。何度も練習したことは、自分の自信にも繋がるからです。