塁を摩する

【漢字】塁を摩する
【読み】るいをまする
【意味】スキルや地位がほとんど同じ程度に達する。
【例文1】師匠と同じくらいに塁を摩する。
【例文2】教師よりも彼女の教え方の方が塁を摩している。
【例文3】塁を摩するまで20年かかった。

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塁を摩すの語源は中国の歴史書にあった

塁を摩す(るいをます)は、大家や名人、師など、元は自分よりも技量や地位が上にいた人物に近づいたことを意味する故事成語です。

距離的にではなく、自身の技量や地位が上がり、肩を並べた(並べるほど近づいた)ことを意味します。

例=師匠の塁を摩するほど腕前を上げる

元は、敵陣に迫るという意味で、敵の塁(砦)をこするまでに近づき、攻め寄ることです。

由来は、「春秋左氏伝」の中の「宣公十二年」に書かれた「御(ぎょ)は旌(はた)を靡(なび)かし塁を摩して還る」です。

「春秋左氏伝」は、左伝・左氏伝・春秋左伝などと呼ばれることが多く、紀元前722年~紀元前468年頃までの歴史的記事と説話や逸話などが記されている書物です。作者は魯の左丘明とされています。

「春秋公羊伝」「春秋穀梁伝」と合わせ「春秋三伝」とも呼ばれ、孔子の編さんした歴史書「春秋」の注釈書として広く知られています。

ちなみに、塁とは「壘」の略体で、「?」は物が積み上がった状態を表すことから、土が積みあがった様子を表現します。そこから、塁は土や石を積み重ねて作った防御用の土手や砦、小城を意味するようになりました。

類語には、牙城に迫る・肉迫・肉薄・企及・しのぎを削る、があります。