鬼の目にも涙

【漢字】鬼の目にも涙
【読み】おにのめにもなみだ
【意味】普段怖い人でも、涙を流す時もある。
【例文1】厳格な父が孫が誕生した時だけは、鬼の目にも涙だったね。
【例文2】孫の成長には鬼の目にも涙だ。
【例文3】父が泣くのを初めて見た。鬼の目にも涙だね。

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とてもきれいな鬼の目にも涙

小学生の頃とても仲良しの親友がいました。
親友は超がつくほどのおじいちゃん子で、おじいちゃんは親友であるわたしのこともとても可愛がってくれ、わたしも大好きなおじいちゃんでした。
実は親友のおじいちゃんはヤクザの親分だったらしく(大きくなって知りましたが)、わたしと親友がオイタをして絡まれた相手が怖いお兄さんたち だった時も、おじいちゃんが現れればそれだけで怖いお兄さんは平謝りで逃げていったし、新年明けて初めて親友の家に遊びに行った時にはコワモテのおじさんたちにたくさんのお年玉をもらって、お父さんとお母さんにびっくりされたし、
とにかく親友のおじいちゃんに関してはたくさんのエピソードがあります。
わたしたちにとってはどんなひとであれ、ただの優しいおじいちゃんでしかなく、今でも大好きな人です。
でもたった一度だけ、おじいちゃんの涙を見たことがあります。
おじいちゃんはガンに侵されてしまい、親友とわたしは毎日毎日お見舞いに行きました。
ある日、おじいちゃんは「もう一緒に遊ばれへんかもわからんなぁ・・・」とポロポロと涙をこぼしたのです。
まさに鬼の目にも涙で、それはとてもとてもきれいな涙でした。
親友と「なんでやねん!」「じーちゃん今ボケるとこちゃうで!」とこちらもまた泣きながら突っ込むのでした。
おじいちゃんは間もなく天国へと旅立ちました。

鬼の目にも涙とは

「鬼の目にも涙」とは、冷酷で無慈悲な人間でさえもときには憐れみや他人の苦しみや悲しみに同情して目に涙を流すこともあることのたとえです。
このことわざは鬼は人から恐れられている怖い存在です。そんな鬼でも同情の心から涙を流すこともあることから生まれた句で、古くから伝えられている言葉でもあります。それは江戸時代までさかのぼり庶民から恐れられていた悪代官でも年貢の取り立てに情をかけたり高利貸しが憐れみの心で証文を破ったりとの時に江戸庶民から「鬼の目にも涙」と言われていたそうです。
元々は悪代官などの悪いイメージのある方を鬼としていましたが、現代では悪い人でなくても怖い人や厳しい人を鬼として使うこともあります。
例えば、
「部活な監督はいつも厳しくて怖い人だったけど、自分たちの引退試合で負けた時は涙ぐんでいたなんてまさに鬼の目にも涙だね。」
「昔は周りにも恐れられているような親だったけど母親が亡くなった時は涙をみせていた。鬼の目にも涙だな。」などと言った使い方が出来ます。
このように鬼の目にも涙の鬼とは現在では冷酷で無慈悲とまではいかなくても怖い人、厳しい人であれば鬼と表現することもあります。どんな人でも涙をを流すことはあるということですね。