鬼の霍乱

【漢字】鬼の霍乱
【読み】おにのかくらん
【意味】強くて丈夫な人が珍しく病気にかかる。
【例文1】お母さんが風邪引くなんて鬼の霍乱だね。
【例文2】毎日10キロ自転車をこいでいるので、鬼の霍乱なんて事はない。
【例文3】風邪ひとつ引かない母が入院だなんて鬼の霍乱だ。

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「鬼の霍乱」を目上の人に使うのはあり? なし?

若いころ、職場の上司が風邪で休んだことがありました。その上司は健康オタクで、ふだんから健康には人一倍気をつかっていて、また、生まれつき丈夫でもあるのでしょう、それまで病欠したことなどありません。
それが風邪で休んだのです。風邪が治って出社したその上司に、私はこう言いました。「課長が風邪をひくなんて、鬼の霍乱ですね」。
上司は笑っていましたが、ある先輩から「課長にそんなことをいうのは失礼だ」と注意されてしまったんです。
私にとって、意外な注意でした。このことわざは「日頃じょうぶな人がめずらしく寝込んでしまうこと」という意味だと理解していたからです。この意味であれば、上司に使っても別に問題はないでしょう。
「上司を鬼に喩えるのはNG」というのが、先輩の言い分です。たしかに、「悪いもの」や「醜いもの」という意味で「鬼」という言葉がつかわれることが少なくありません。しかし、「野球の鬼」というように、良い意味で使われることもあります。
このことわざの場合は、「体が強健、じょうぶ」という意味ですから、決して悪い表現ではないでしょう。
先輩から注意された私は、口には出しませんでしたが、そのように考えて、不満を感じたのです。
それは若いころの話。今は「鬼というのが人に不快感を与えかねない喩えである以上、このことわざは目上の人には使わない方が無難」というように、考えが変わっています。