門を叩く

【漢字】門を叩く
【読み】もんをたたく
【意味】訪問して弟子入りを頼む。
【例文1】調理師専門学校を出て料亭の門を叩く。
【例文2】相撲部屋の門を叩く。
【例文3】陶芸家の門を叩く。

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門を叩く用例が見当たらない件についての考察

「門を叩く」とは、弟子入りするとか入門するという意味の言葉です。
現代社会では、事前の書類選考やアポイントメントを通じて面会することがほとんどでいきなり直接訪問することなどまず考えられません。
面接する運びとなっても門柱にあるインターホンで来訪を告げることになるので、ますますもって門を叩くという行動はありえなくなります。
日本国内の門で最も有名そうな東京大学の赤門も、そもそも閉まっていることの方が少ないようですから叩く機会もないでしょう。
開いている門は開きっぱなし閉じている門はその時点で進入お断りが普通なので、やはり門を叩くチャンスはありません。
使われない言葉であれば時の流れによって無情に消え去るだけの運命にあるのでしょうか。
古い物語やドラマであれば実際に門を叩くシーンを見る機会はあります。
門を叩くで思いつきそうなのは、推敲という言葉の成り立ちです。
「僧は推す月下の門」と「僧は敲く(たたく)月下の門」で、どちらにするべきか悩んだというエピソードです。
中国の唐詩四大家の韓愈が敲くの方がよいとしたくらいなので、叙事的な風合いもあるはずです。
普段は使われない敲という難しい字が態々この熟語のためだけに使われるというのも考えてみれば不思議です。
それに対して門を叩くは簡単な字しか使っていませんが、それだけに言い回しとしては使われる頻度は少なくなっていきそうです。

門を叩くと、いつでも誰かが開けてくれる

歳を重ねるに連れ、新しい事が苦痛になってきます。携帯電話の機種変更さえ煩わしいです。なんだか新しくてキラキラしたカタカナ文字の素晴らしいアプリやサービスがたくさんあるのに、どうしても覚えようという気になりません。しかし、昔のは簡単だった、これが大変と新しいスマートフォンの愚痴をこぼしていると、友達から「こういうアプリがあるよ」と教えてもらい、使ってみるとなんと便利なことでしょう。
何事も食わず嫌いはいけないと思いました。
若い頃、自分の親や親戚のおじさんが、「若い人のはよく分からなくて」と、最新の機械のことをいろいろ聞いてきて、初めはちょっと得意な気持ちだったのが、だんだん鬱陶しくなってきた気持ちが思い出されます。私の子供はまだ小さいが、大きくなったら、頼りにしすぎて「お母さん、もう自分でやってよね!」と言われるのかしら。

キリスト教の一節に、門をたたきなさいとの文があります。子供の幼稚園がカトリックだったので、実はそこで初めてキリスト教の教義に触れたわけだが、私の勝手なお堅いイメージとは違って、生活に根付いた話も多いのに驚きました。
確か、門を叩きなさい。そうすれば開かれる。という一節でした。文だけ読めば、そりゃそうだろうという感じだが、門はひとりでには開かない。誰かが答えて門を開けてくれるのである。と教えられました。
とりあえず、周りの親切な人にお礼を言って、せっかく開かれた門に頭を下げ、感謝することを、大事にしたいと思います。