猪突猛進

【漢字】猪突猛進
【読み】ちょとつもうしん
【意味】周りの状況を考えずに、一つの事に向かって猛烈な勢いで突き進む。
【例文1】猪突猛進な性格。
【例文2】猪突猛進で女性に猛アタックする。
【例文3】猪突猛進に根負けする。

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「猪突猛進」型で失敗した項羽

「猪突猛進」とは「周囲の人のことや状況を考えずにひとつのことに向かって猛烈な勢いで突き進むこと」です。中国の歴史書、司馬遷の「史記」の中で対照的に描かれている項羽と劉邦ですが、この二人のうちの項羽は「猪突猛進型」です。秦の始皇帝の僥倖の様子を見た項羽は「俺はいつかあいつにとって代わる!」と言いますが、劉邦は「権力にある人というのはあのように立派なのだな」と感心します。その時点で二人の性格の違いがよくわかります。その後、秦への反乱軍があちこちで挙兵しますが、その頭領となった項羽と劉邦。兵の数の多い項羽は正面から秦の軍隊を攻めて勝ち進んでいきましたが、そのやり方は自分の力を恃んでの強引な方法でした。一方の兵の数の少ない劉邦は部下の意見をよく聞き取り入れながら進軍しました。結果的に劉邦が秦の都咸陽を先に陥落させます。それに激怒した項羽は劉邦と対決しようとします。それを悟った劉邦は謝罪のため、項羽のもとへ出向きます。「鴻門の会」です。そこで劉邦は暗殺されそうになりますが、その危機を脱します。その4年後、項羽への反対勢力を結集した劉邦が項羽を攻め上り追い詰め、項羽は虞美人に別れを告げて自害するのです。項羽は「猪突猛進」型で失敗した代表例ですね。