三尺下がって師の影を踏まず

【漢字】三尺下がって師の影を踏まず
【読み】さんじゃくさがってしのかげをふまず
【意味】師匠に従って歩く時は師匠の後ろを影も踏まないようにする。つまり師匠への礼儀を忘れてはならないという教え。
【例文1】三尺下がって師の影を踏まずで、20年間恩師に年賀状を書いている。
【例文2】三尺下がって師の影を踏まずの恩を返す。
【例文3】三尺下がって師の影を踏まずでお歳暮を贈る。

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師に対し尊敬の気持ちを持つことが大切だと説く「三尺下がって師の影を踏まず」

「三尺下がって師の影を踏まず」という慣用句を聞いたことがある人は多いと思います。
その字の示す通り、弟子が師に付き従う場合には、三尺ほど下がってその影を踏まないようにしなければならないということです。ここには、弟子は常に師に対して礼を尽くさなければならず、師を敬う気持ちを持たねばならないという戒めの意味が込められています。
「尺」というのは耳慣れない距離の単位ですが、一尺は約30・3センチ、三尺はおよそ90センチほどになります。
あなたに師と呼べる人がいるならば、「三尺下がって師の影を踏まず」という言葉の意味を思い出し、常に相手に礼を尽くすようにしましょう。
ちなみに、「先生が怖いから距離を置こう、遠ざかろう」と言った間違った意味で使っている人もまれにいるようですが、こちらは全くの誤用なのでくれぐれも注意してください。
人が誰かに何かを習うとき、教えてくれる相手に礼や尊敬の気持ちを持つのはとても大切なことです。
常に師に対して尊敬の気持ちを忘れず、理想的な師弟関係を築きたいものですね。

「三尺下がって師の影を踏まず 」三尺では足りないのでは?

最近はあまり使われなくなった言い回しに「三尺下がって師の影を踏まず 」という言葉があります。
意味は「先生は敬わなくてはならない。だから、先生といっしょに歩く時は、三尺後ろに下がって、先生の影を踏まないようにするぐらいの、そんな気持ちで接しなくてはならない」ということでしょう。
「影を踏むことさえ不敬にあたる」という考え方ですね。もともとは、仏教の作法からきたとも言われていますが、なんとも東洋的な奥ゆかしい発想です。
ところで、「三尺」というのは長さを表しています。「一尺」は約30cmですから、三尺はおよそ90cm。あげ足を取るつもりがありませんが、これではちょっと短すぎるのではないでしょうか。
先生の後ろを、90cmの間隔でついていくというのは、少々距離が近い気がします。時間や季節など、太陽の角度によっては先生の影を踏んでしまいそうな距離です。
そう思って調べて見たら、この言葉、元は「七尺去って師の影を踏まず」と言っていたらしいということがわかってきました。「去って」は「下がって」と同じ意味と考えていいでしょう。
ポイントは「七尺」という長さ。約210cm、つまり2メートルを超えていますから、これなら、先生の影を踏むリスクはかなり小さくなるに違いありません。
日本人は「三」という数字が好きですから、それで「七」がいつの間にか「三」になったのではないでしょうか。もとの言い方のほうが、理屈にかなっているわけですね。