風上にも置けない

【漢字】風上にも置けない
【読み】かざかみにもおけない
【意味】風上に異臭のする物を置けば風下は臭くて困るように、卑怯な者を批判する時に言う。
【例文1】大事な通達を黙っているとは風上にも置けない奴だ。
【例文2】情報を漏らすとは風上にも置けないほど許せない。
【例文3】嘘の情報を流すとは風上にも置けない。

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「風上にも置けない人」の風上にも置けない理由とは?

「あいつは営業マンとして風上にも置けないやつだ」というような使い方をされる「風上にも置けない」という言葉。よく使われるわりには、どうしてそういう言い方をするのかわかっていない人が少なくないのではないでしょうか。
よくあるのが「風上ではなく、風下と表現すべきなのでは?」という意見でしょう。これはおそらく「上座、下座」の発想から来ているのではないでしょうか。風上という言葉に「上座」のイメージを抱いてしまうために、下座にあたる「風下」にも置けないと言った方が適切なように感じられるのです。
これは、間違った解釈。この言葉にはそうした「上座、下座」の発想や意味は含まれていません。
では、なぜ、例文で示したような人が風上に置けないのか。それは、その人が「臭い」から。つまり、この言葉は、「臭いものを風上においておくと臭くてたまらない。だから風上にはおいておけない」という意味なんです。
ちょっと意外な由来ではないでしょうか。
例文の「営業マンとして風上にも置けない」というのは、「営業マンとしてあるまじき行動をして、営業部にマイナスの影響を与えた。そのために部署内のメンバーが迷惑している。許せない」という意味が込められています。
仲間として扱えないほど、人を不快な気持ちにさせるというところから、「臭いもの」に喩えられたということなのだと思います。

誰かを卑怯者と罵るときに使う「風上にも置けない」

「あの男は人の風上にも置けない卑怯者だ!」こんな罵り言葉を聞いたことが、誰でも一度はあるかもしれません。
「〇〇の風上にも置けない」ー非常によく聞く言葉で、誰かを卑怯だ、情けない奴だ、と非難するときによく使います。
誰でも知っているこの慣用句ですが、そもそもどうして「風上にも置けない」という言い方をするのでしょう。
この言葉、そもそもは「風上に悪臭を放つものを置いたりしたら、下にいるものが臭くてたまらない」というところからきています。
なぜ「風下」ではなく「風上」という表現なのか不思議に思われた方もいるでしょうが、これで理由がわかりますね。
またこの言葉、「誰かのことを仲間とは絶対に認められないほど卑怯だと感じる」ときに使う言葉のようです。
仲間としては受け入れられないほど見下げ果てたやつだ、というニュアンスです。
こんな言葉を誰かにもし言われたら、人間として決定的にダメだ!という烙印を押されたも同じことです。
何があってもこんなことを仲間に言われないように、自分を律していきたいものですね。
もちろん、「あの人は人の風上にも置けない!」と非難したくなる人を見つけたときにも、反面教師にし自らの襟を正すようにしていきたいものです。