まなじりを決する

【漢字】まなじりを決する
【読み】まなじりをけっする
【意味】目を大きく見開いて決意する。
【例文1】まなじりを決して進路を決める。
【例文2】まなじりを決して選んだ恋人に狂いはない。
【例文3】この人に間違いないとまなじりを決して結婚する。

まなじりを決するをテーマにした記事

「まなじりを決する」は武王の息子曹植の詩から出た言葉

まなじりを決するとは、目を大きく見開く。怒ったり、決意したりする様子のことです。「眦 を裂く」とも言います。この言葉は曹植の詩にある「目を張り眦を決す」から出た言葉です。曹植は三国志時代の魏の人です。曹操(武王)の息子で詩文の才能に優れていましたが、陳思王に封じられました。曹操(武王)と伯夷、叔斉の逸話は有名ですね。司馬遷の史記によると、周の文王のところに身を寄せていた伯夷、叔斉は、文王の息子武王が殷の暴君であった紂王を討つと決めた時、君主を討つことは道にはずれていると諫めますが聞き入れてもらえません。武王が殷を滅ぼし天下統一し、周を建国しても周の穀類を食べることを潔しとせずに、首陽山に隠遁生活をしながらワラビを採って食べていましたが、「ああ、ゆかん、命の衰えたるかな」という歌を残して二人とも餓死をしてしまうという話です。伯夷叔斉はもともと孤竹君という君主の息子たちで、一国の王子たちでしたが、父王が弟の叔斉を自分の跡継ぎにと考えていることを伝えられ、弟だからという理由で固辞した挙句、争うのは嫌だからと二人で国を捨てて文王のところに身を寄せてしまった二人なのです。高潔な人柄の例えとして称される彼らを、曹植はどう感じていたのでしょうね。